彼女は笑っていた。

彼女は壊れても尚、笑い続けた。

だって 狂っているんだもの。 彼女は言った。

狂っているわ。





彼女は笑っていた。

みんなみんな 狂っているのよ。 彼女は言った。

どうしたのかしら 私の脚は何処へ行ったのかしらね?

彼女は笑いながら僕の目玉を抉り出した。

彼女は笑うことを止めなかった。

だって狂っているから。

僕は彼女の指を味わいながら笑った。

本当に 狂っているね。 彼女に言った。

ええ。狂っているのよ。 彼女は言った。

彼女は僕の耳に齧りつく。 笑いながら。

僕も彼女の肩を喰い千切る。 笑いながら。

彼女は笑っていた。

僕も笑っていた。





僕等はこの狂った世界で笑っていた。













僕等は永遠に笑い続ける。
                                             そう。だって狂っているから。